食事に関する質問はとても多く寄せられます。
私は、色々やりながら学ぶという方式で、順を追って栄養学の勉強はしていないので、これが正しい!と言えるわけではないですが、「私が意識してきた事」と言う範囲で「大体こんなイメージで食べているよ!」というものを紹介します。
1.質問:ラグビー選手の食生活は?
ラグビー選手の食生活が知りたいです!
個々に違うと思うのですが、皆さん食事のコントロールや栄養管理、食べる量など、どのようにされているのですか?
日本人選手と外国人選手の違いはありますか?
食事のコントロールと言う部分で言うと、ポジションや体格が違うので個人差はありますが、大人のラグビー選手の練習日における一日に必要な摂取カロリーは約4500kcalと言われています。
体格の違いがあるので目安です。FWだからこんなものなのかな?(一般成人男性2200±200kcal)
食べる量の目安 PFCバランスから考える
「何をどれくらい食べるのか?」という目安になるように、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の摂取エネルギーのPFCバランスを目安にして、「単品で食べるならどんなもんかな?」という視点で記事を書いていきます。
適度なバランスとしては、
P:15~20%
F:15~25%
C:55~65%
くらいと言われているようです。
まぁ正直、私はここまで細かくはやっていませんでしたが、あくまで目安です。
◎たんぱく質
最初からいきなりPFCバランスから話が外れますが、タンパク質(P)の部分は、「筋肉への栄養」という観点からカロリーと言うよりも必要量からの逆算です。
アスリートは体重1㎏当たり×2~3gくらいは必要なので、体重100㎏なら200~300gとなります。
Pのカロリーは1g当たり4kcalなので、200~300g摂取すると、カロリーは800~1200kcal。
PFCバランスで見ると、17.7~26.6%となります。
3gを取ると考えると少しバランスは崩れますが、まぁ許容範囲でしょう。
もし鶏むね肉だけでまかなうなら…
鶏むね肉 100g ➡ たんぱく質含有量=19.5g
よって、
摂取たんぱく質200g ➡ 鶏むね肉=1.25㎏
摂取たんぱく質300g ➡ 鶏むね肉=1.53㎏
1食当たり400~500gの鶏むね肉を食べるという事ですね。
流石に朝から500gの鶏むね肉は…となるので、プロテインパウダーで補助のイメージで摂取をしていますね。
⇧チームで提供してもらっているプロテインはこちらです。
普段飲み放題だけど、やはり結構高い…
3~4回/1日摂取しています。
◎脂質
アスリートとしては脂質を絞った方が良いイメージがあるかもしれませんが、身体作りの面ではある程度必要です。
脂質は1g当たり9kcalと多いので、摂りすぎには注意が必要ですが、少ない量でカロリーを摂れると考えると非常に優秀です。特に増量したい場合、食べられる量に限界があるので多少多めに摂取するのも必要かもしれません。
PFCバランスの面で15~25%と考えると、675~1125kcal摂取して良い事となります。
ただ、上記のように1g当たりのカロリーが高いので、重さで見ると75~125gとなります。
「おっ結構食べてOKじゃん」と思われたかもしれませんが、上記の基準は体重100㎏で計算しているので、もしご自身の体重が50kgであれば、単純計算は半分の37.5~62.5gとなります。
それがどれくらいかと言うと、例えばポテトチップスの中には100g当たり36gの脂質が入っています。もし一袋食べてしまったのならそれだけで1日分です…。そう考えると美味しさに対するリスクが高すぎる気がしますね(笑)
◎炭水化物
炭水化物は、たんぱく質と同様に1g当たり4kcalとなります。
身体を動かすエネルギー源となる所なので、PFCバランスでも半分以上を占めます。
今回はとりあえず60%で計算してみましょう。
4500kcalの60%=2700kcal
もし全て白米でまかなうなら…
白米 100g=168kcal ➡ 約1.6kg必要
茶碗なら1杯150g ➡ 約11杯
多いと見るか、これなら余裕!と見るかは人それぞれです。
2.日本人選手と外国人選手の違い
正直外国人選手はなんであんな身体なんだ?と疑問になるくらい量は食べないです。
プロテインのサプリメントも量もそんなに大量にとるわけではなく、以前ラピースに一日何回摂るの?と聞いたところ3か4回と別に日本人選手と変わらない頻度でした。
謎です…。
3.実際に私がしていた事・食べていたもの
以前の記事で下記の2つが食事関係の記事です。
良かったら読んでみて下さい。
また、最近高橋拓朗選手に影響されて、ソイミートやグルテンフリーパスタ等も食べるようになりました。
そちらも関連記事を追々書こうと思います。
※高橋選手は、肉を食べない「プラントベース」という生活をしており、DMM.PLANT-BASED所属アスリートとしての活動もしています。興味ある方は是非彼のInstagramをチェックしてください!
4.おすすめの本
日野レッドドルフィンズでプレーする村田毅選手(昨年、キャベ生でラインアウトトークをしました!)の奥様の村田英里子さんが書いた下記の本がおすすめです。
今トップレベルでプレーしている選手やその家族、お子さんが運動部で「どんなメニューが良いのかな?」と悩む保護者の皆様も是非読んでみてはいかがでしょうか。
⇩の画像から詳細が見られます。
「GOOD HABIT」。読み方はグッドハビット、英語で「良い習慣」という意味。 いつもの料理へのひと工夫からはじまる心地よい食習慣。 アスリートのための良い食事は、毎日ごはんを作る私にとっても良いものです。
[良い食習慣をつくるシンプルメソッドと目的別レシピ]
GOOD HABITの軸となる、スポーツ栄養の理論とプロアスリートのサポート経験をかけ合わせてできた3つのルール。このシンプルに細く長く続けられる考え方を基本に、体の土台を整える「ベースメイク」、運動によっていたんだ筋肉を回復させる「パワーアップ」、そして失ったエネルギーを回復させる「パワーチャージ」の3テーマからレシピをお届けします。毎日の料理に取り入れやすい、栄養素の吸収を高める食べ合わせや調理法のアイデアを添えたレシピとコラムは、英語にも対応。
[トップアスリートの食習慣にせまる特別インタビュー]
GOOD HABITの答えはひとつではなく、その人に合ったスタイルがあるはず。第一線で活躍されているトップアスリートとそのご家族が、どんな考えを持って食習慣をつくってきたか、そのプロセスにもたくさんのヒントがありました。貴重なGOOD HABITストーリーに特別レシピを添えてたっぷりお伝えします。
5.最後に
今回は、イメージがしやすいように各栄養素を単品で取ると想定して量を書いてみました。
ほとんどのものには様々な栄養素が入っているので、これだけ食べれば大丈夫という食材はないです。
なので、あまり細かく気にしても本当に正しいのかはわかりません。
私は、基本的にはたんぱく質の量は気にしていましたが、他は大体でなんでもバランスよく色々食べるという生活でしたね。
(特に上の考え方だと「野菜いらないじゃん!」という気になってしまいます…)
ラグビーの競技特性上、身体を絞っている人もいればそこまで細かく気にしていない人もいます。
特にFWはある程度の脂肪も必要ですし、食べるものは気を使っても、全てを細かくグラム単位で調整して食べている人は見た事ないかもしれないですね。
ただやみくもに食べるだけでなく、食べたものを記録して身体はどのように変化したのか?という事も楽しめるので、いろいろやってみてください。
※中学生などのジュニア世代はまた違うのでご注意ください。
では、以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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