プロになるわけではない学生がラグビーを続ける意味はなにか?

こんな質問を頂いたので、私の考えを簡単に書きます。

強豪とは言えない国立大でラグビー部に所属しています。

 

毎日しんどい練習や筋トレがあって、将来プロラグビー選手になるわけではないのに、「なんでこんなしんどい事をやってるんだろう?」と疑問に思って辛くなることがあります。

ラグビーは大好きで楽しいんですがこんな疑問を抱くのはおかしいですか?

 

プロを目指してたであろう方に聞くのもおかしいかもしれませんが、何かメンタル的な解決法はないですか?

1.疑問を持つのはおかしいか?

その疑問を抱くのはおかしいことではないと思います。
身体の状態と同じようにメンタルの状態も良い時もあれば良くない時もあります。

常にそのように感じてしまうのでなければそんなに大きな問題ではないと思いますし、全く何の疑問も持たずにただ目の前の事だけをしているよりもむしろ自分が考えるきっかけを作れるという点では良いのではないでしょうか。

 

2.自分がラグビーをしている意味は?

この疑問は、スポーツをする上ではどんなレベルでも発生する問題です。
質問者さんは「プロになる訳でもないのに」と書いていましたが、たとえトップリーガーであっても人によっては「日本代表になれないのに」とか「これしかお金稼げないのに」やる意味あるの?という人もいるかもしれません。
自分が何の為にラグビーをやっているのか?と言うのは、最近話題の「セルフアウェアネス」という「自分を知る事で人生の問題を解決していこう」という考え方に繋がるので、じっくり悩んでみて下さい。
例えば、下記のような事を考えてみてはどうでしょう?

単純にラグビーが好きだけなら、サークルでやるだけでも良いかもしれない。
勝ちたいのか?勝たなくてもいいのか?
何で勝ちたいのか?
勝って何を得られるの?
勝ちたいなら何をするの?
そもそもラグビーをして何を得られるの?
別に吐くほど走らなくても仲良くできるよ。それでもやるの?


⇧スピアーズでも各選手が「自分がなぜラグビーをするのか」という理由を表す写真を持ってきてそのエピソードを話すという機会を作りました。その各選手の写真はまとめてあり、スローガンと共に試合会場のロッカールームに飾られます。やはり多くの選手は、仲間・家族が多いですが、それぞれのエピソードがありますね。

 

3.時間は限られている

こんな言い方だとおじさん感が強まりますが「若いんだから迷って大丈夫だよ!」。

上記の通り、迷うというプロセスを踏む事で、最終的に決めた時には信じてやっていけます。

とは言え、一点言うとすれば「時間は限られている」という事です。
今何年生かわかりませんが、この先もラグビーを続けないとすると仲間と本気で勝利に向かってトレーニングできるのは人生最後かもしれません。

私は今期で引退となり、もう二度とみんなと本気で「やべーきつい」と言いながらも、お互い励まし合ってラグビーをするという事はできません。

どんなに「楽しかった」と言えるキャリアでも、結局アラを探せば後悔する事はたくさんあります。

「ラグビーが大好きで楽しい」という気持ちを大切に、今仲間たちと過ごせる時間を大切にしてもらいたいですね。

4.最後に

私自身、下記の様に字面で見たらかなり恵まれた環境でプレーをできたし、良い感じに見えるキャリアでした。

・高校(誘われて始める):過去に日本一の実績があり、常に花園出場が狙える状況からのスタート。2年生からレギュラー、3年生では国体3位、花園ベスト16、東西対抗戦選出。

・大学(誘われて進学):関東大学ラグビー対抗戦1部の大学。1年生からメンバー入りして2~4年生までレギュラー。

・トップリーグ(誘われて入団):1年目からレギュラー、2年目に7人制日本代表選出、3年目から3年間キャプテン。その後ケガ多かったけど結局12年間プレー

しかし、このキャリアでもトップリーグでラグビーを続けようと考えたのは大学3年生以降でしたので、常に「プロになる為に」と考えてプレーをしていたわけではなく、そのタイミングでのチーム・自分の目標を達成する為に取り組んでいたらというのとタイミングよく誘ってもらったので結果的にそうなったと言った感じです。(まぁ最近の選手は2年生くらいからはリクルーターが接触するのが普通になってきているし、高校から直接トップチームに入るケースも出てきたので、事情が違いますが…)

上のような偉そうなことを言っていますが、実際はここ数年チームで取り組んできて改めて自問自答してきた事で、ようやく「やっぱりこれが大事だよね」という所に辿り着きました。

プロ選手であっても、ラグビーの市場規模を考えたら身体的なリスクの割にはそんなに夢があるお金の稼ぎ方ができるわけではないし、プレーをしていたからって引退したら何が残るの?次なにするの?という問題もあります。

なので、最終的な結果はどうあれ、いくつになってもなにをするにしても「自分が何でそれをやるのか?何でやりたいのか?」を考えて、自分が納得できる事を選択していく事が重要なんだろうなと思います。

 

 

今回は以上です。

過去の質問シリーズはこちらから読めます。

 

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