ラグビーのモール 崩れたところから作り直す“リモール”ってどうなの? 

リモールについて下記のような質問を頂きましたので回答です。

プロ、大学レベルや、高校の強豪レベルでは全くと言っていいほどリモールが見られないのはなぜでしょうか?

自分が思いついた高いレベルでやらない理由としては、下記5点。
・ピックやワンパスでもミスなく前に出られるから
・モールでFWを疲弊させるのは得策ではないから
・フィジカルレベルが高くなるとモール形成が難しいから
・ケガのリスクが大きいから
・面白くない、かっこ悪いから

また、リモールのメリットとしては、下記3点と考えました。
・フィジカルで劣る相手にも簡単に前進できる
・ターンオーバーのリスクが低い
・相手DFを寄せられるので、BKがアタックできるスペースが広がる

確かにほとんど見ないですし、私が自分でやった事もあまりないですね。
※リモールとは
ラックからFWがピックorワンパスをしてモール形成を試みるプレー

何でやらないか?

まずは、質問者さんが考えてくれた「やらない理由」から書いていきます。

・ピックやワンパスでもミスなく前に出られるから
・モールでFWを疲弊させるのは得策ではないから
・フィジカルレベルが高くなるとモール形成が難しいから
・ケガのリスクが大きいから
・面白くない、かっこ悪いから
この中で、最も関りそうなのは、「フィジカルレベルが高くなるとモール形成が難しいから」かなと思います。

安定したモールを組みたいならボールキャリアーに加えて、両サイドにサポーター、後ろにリッパーの合計4人は欲しいですね。

ゴール前のラック周辺では、DFは近場に寄りがちで、ボールキャリアーに対して、ロータックル&上へのタックルが同時に来ます。
モールを組む為に後ろを向くとこちらは4人使っているのに、2人でも一瞬で倒されてしまい自ら数的不利を作ってしまう事になってしまいます。

組めれば良いけど、組めないと不利となると、他の手段で良いかなというのが正直な感想です。

じゃあ、いつやるか?

上記の通り、やりづらい部分はありますが、成功する(=しっかり組める)と下記のメリットが見込まれます。
①最初に入ってくる相手の人数が少ない可能性が高いので、一気に押せる
②押し始めればトライorコラプシングのペナルティ貰えるかも
③DFを寄せられるので、スペースを作り出せる
上のように大きなプレッシャーが来る場面では、使用しづらいという事から、少し違った部分で組めると良いかなと思います。
因みに、考えて頂いたメリットの内、下記二つは難しいかなと感じています。
・フィジカルで劣る相手にも簡単に前進できる
・ターンオーバーのリスクが低い
フィジカルが劣っていると感じる場合、(今回は体格、強さというイメージ)そもそも組めない可能性が高くなります。
簡単に組めているのであれば、他の要因が考えられます。
ターンオーバーのリスクは、「ジャッカルされない」という意味かもしれませんが、普通に割られたり、上で絡まれて等はあまりリスクは変わらないのではないかと思います。

ワンパスを広め・深めにしてとりあえず組む

ゴール前で使う場合、連続してピックをしているとDFは自然とラックに寄ってきます。

そこを、少し広めにセットして一番強いメンバーで組むと、しっかりと組めるかもしれません。

 

ゴール前以外でやる

ゴール前で押し切ろうという場面ではなく、22mに入った所くらいでDFがモールの準備をしていないタイミングで組むと言うのも手だと思います。

実際、そこからでもしっかり組めれば押し切れるかもしれませんし、押しきれなくてもそのエリアで組む事ができればDFは入らざるを得ず、どこかにスペースが空きます。

 

まとめ

成功するのであれば、トップレベルでも見る機会は増えるかもしれません。
高校生で多くみられるプレーですが、それが有効なのであるならばどんどん使っていって良いと思います。
倒れないモールを作るにはどうすれば良いかというのは、後々役に立つ部分もありますしね。
以上

過去の質問シリーズはこちらから読めます。

 

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