小学生ラグビーのポジション選び 向いてるけどやりたくないor向いてないけどやりたい

「小学生のポジション決めについて」
①向いてないけどやりたいポジション
②向いているけどやりたくないポジション
どちらを選ぶのが良いと思いますか?
指導者の立場、チームメイトの立場からの視点も含めて率直なご意見を聞かせてくださると有難いです。

親としては、①を選ばせて本人が納得してからポジティブな気持ちで②にすれば良いと思っています。

以上の質問を頂いたので回答します。

1.低年齢から向いてるポジションってわかるの?

率直な感想として2点あります。
以下について書いていきます。

1)小学生の段階で向いている、向いていないの判断はできるのか
2)なぜラグビーをやっているのか、本人、家族は理解しているか

1)小学生の段階で向いている、向いていないの判断ってできるの?

私自身は小学生時代にラグビーをやっていませんし、数えるほどしか小学生のラグビーを見た事がないので印象の話になってしまいますが、今まで見た小学生で「ポジションに特化した動き」がめちゃくちゃ上手い!という選手は見た事がありません

しかし、質問をぱっと見た印象では「向いているけどやりたくないポジション」という部分で、身体がとても大きいor太めだから「フロントローをやれ!」と言われているけど、本人はバックスをやりたいとかなのかな?と勝手に想像していました。

という訳で、スピアーズの選手数名に話を聞いてみました。

才田智選手の場合

現在のポジション プロップ
ラグビーを始めた学年 小4
始めた時のポジション プロップ
他にやった事があるポジション スタンドオフ(1回だけ)

180㎝114㎏の才田選手は、昔から身体が大きかったことで最初からプロップでラグビー人生をスタートしました。

プロップで嫌だという感情は持ったことがなかったようですが、一度だけスタンドオフの経験があるそうです。
ただ、その一回がルールを理解していなかったこともありあまり良い経験ではなかったようで、引き続きプロップになったとの事。

才田選手は、嫌というわけではないけど、向いていると判断された②のケースに近いですね。

岡山仙治選手の場合

現在のポジション フランカー
ラグビーを始めた学年 中1
始めた時のポジション プッター(私があまり理解していませんが、ノブ曰く「ボール持って好きに突っ込んで良いポジションです」という説明でした。合ってる?(笑))
他にやったことあるポジション なし

168㎝90㎏の岡山選手は、中学生で始めました。
「ボールを持って当たりたい」「タックルしたい」という事に加えて、「大阪ではプッターが花形ポジションだったのでかっこいいから」という理由でそのポジションになったそうです。

今でこそち小柄なフランカーと言われる岡山選手ですが、中1の時点で現在とほとんど同じくらいの身長だったそうで、その当時にチャレンジしていれば他にも向いているポジションはあったかもしれませんね。

しかし、本人の希望でプッター➡高校でも「かっこいいから」フランカーを選び、天理大学を経てトップリーガーとなっています。

岡山選手は向いている/いないに関わらずですが、①の「本人がやりたいポジション」をやり続けたケースですね。

海士広大選手の場合

現在のポジション プロップ
ラグビーを始めた学年 中1
始めた時のポジション プロップ
やった事があるポジション センター

172㎝102㎏とかなり小さいプロップの海士選手。
安定したスクラムや高い運動量、激しいボールキャリーを武器に、開幕から全ての試合で先発出場しています。

海士選手は、大阪府の東生野中学校でラグビーを始めました。
地域特性上、強豪チームが多く自チームがあまり強くなかった事から「ボール持つの嫌だなー」「どうせラグビーも中学だけでやめるだろうからポジションとかなんでもいいや」くらいでやっていたそうです。

しかし、その気持ちでプレーをしていても光るものがあったのか、常翔学園➡同志社大学を経てクボタスピアーズに入団しました。
こちらは②の「向いているけどやりたくない」に近いケースです。(そもそもラグビー自体をやりたくないケースですが…)

 

2)「なぜラグビーをやっているの?」

私自身は小学生時代はラグビーではなく、サッカーをやっていました。
サッカーをやっていた理由は「兄がやっていたから」「なんとなく楽しいから」「めちゃくちゃやりたいという訳ではないけど辞めたいという訳でもなかったから」「上手くいったら嬉しいし、褒められるから」くらいだったと思います。

なので、「まぁ試合に出れて勝てば嬉しいけど」くらいで、週末の試合に出る為に、平日から自分で練習して成長しようというような気持ち、行動は一切なかったです(笑)

スポーツをする理由は子どもでも様々ですので、もう一度ご家族で「なぜラグビーをやっているのか?」「今後どうなっていきたいのか?」等をフランクに話してみてはいかがでしょうか?

前述の通り、私自身は小学生時点でのポジション適性なんてあるの?というイメージなので、質問者様同様に本人の意思を尊重してまずは①からで良いんじゃないかなと考えています。
そもそも楽しくなければ続かないと思います。

ただ「小学生の時点からポジション適性はある」というご意見でしたら、楽しむという前提ですが「上を目指す為にはこっちの方が可能性が高い」という話をしてみても良いのかな?とも思います。

2.指導者の立場

※スピアーズアカデミーでは中学生に対して、またその他スポットで高校や大学に行く機会はありますが、コーチとして1つのチームを継続して見た事はありません。
また上述の通り、小学生年代はほとんど見た事がなく、時々参加する初めての子どもに行うタグラグビー及びスクール関係を年に1回見れば良い方ですので、あくまで理想と想像です。

私は小学生年代は「楽しい」「できなかった事ができるようになった等、成長している実感」「ラグビーが好き」等の部分があれば良いんじゃないかな?と考えているので、できれば選手には本人がやりたいポジションをやってもらいたいです。

ただ、試合を行う以上は人数の問題があったり、勝敗にこだわりたい場面が出てくる事もあるだろうと思うので、実際には「あまりやりたくないポジション」をやってもらう選手が出てきてしまう事もあるかと思います。

その辺りは、どうするかな…?
毎回交代させるようにするか?悩みどころですね。
勝つ経験も大事だと思うし、負けて誰かのせいにするのも良くないし…

育成年代の指導者の方は、選手の将来を左右するこういう部分で、理想と現実に折り合いをつけていて大変だろうなと思います…。
その立場になった時には、明確に基準を作って判断していきたいです。

3.チームメートの立場

どの状況でのチームメートかによりますが、今だったら他の選手が「ポジション変える」と聞いても「おっそうか。頑張れよ」くらいですね。

当然勝手に変える訳ではないので、本人がコーチ陣と相談して「自分が出場する為にはその方が可能性がある」と判断してチャレンジする事を決めて了承を得ているので、尊重するだけです。

小学生の時だったら「何も考えていない」かもしれませんね(笑)
「いーなーオレも変えたーい」という選手がでてくるかもしれませんが、それはそれでしたかったらどうぞで良いのかなと…

4.まとめ

私は、向いてる/向いていないに関わらず、とりあえずやりたいポジションをやってみて欲しいですし、やらせたいです。

ラグビーに限らずですが、スポーツは楽しむものです。

小学生年代では、本人が嫌なら辞めて良いんじゃないかな?と考えているので、楽しめるような環境を選択して欲しいですね。

今回の記事は、私見ですので、保護者の方・子どもの意思は各ラグビースクールなどでコーチとしっかり話し合って下さい。

ただ、コーチにもコーチなりの考えは必ずあります。
やりたくないとはいえ「向いている」という理由を聞いてみたら、選手自身にも新たな可能性が開かれるかもしれません。
そこも子どもの意思との同様、個人の考え方なので最初から「子どもの意思を尊重するのが絶対」ではないかなと思います。

お互い歩み寄って協力して良い選手が育っていくと良いですね。

関連記事

小学生のラグビー「勝ち」にこだわる?「楽しさだけ」からのステップアップに必要な事

今回は以上です。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
⇩のシェアボタンでシェアしてくれるととても嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です